3児の母、夢への階段を上る~ワンオペママでも起業~

20年6月に会社員を卒業。起業を志した3児の母が夢を叶えるための行動を綴るブログ。

2015年2月の事件から考える

2015年2月に起こった残虐な殺人事件を覚えていますでしょうか。

神奈川県川崎市で発生した「川崎中1男子生徒殺害事件」。

当時中1だった男子生徒が、高校生男子3人にカッターで切り付けられた後、
川で何度も泳がされ、命を落とすまで再度何度もカッターで切られ続けた末、
無残にも真冬の河川敷に放置されたという殺害事件。

1人の親として本当に腹立たしい。

そして将来のある若い命を奪った者も同じく未成年の若者という現実に
あなたもショックを受けた事件だったと思います。

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なんとも痛ましい事件でした

当時長女出産直後の私は、この世に誕生したばかりの娘を抱きながら、

「被害者の上村くんも、こうして親御さんにとっては大切な命なのに・・・」
と、一人の親として非常に胸を締め付けられる思いがしました。

今となっては、全く報道もされなくなり、世間から被害者も加害者も
忘れ去られようとしています。


たまたま今日のKindle日替わりセールに、この事件後に取材をされた方が
書いた本が対象となっており、

改めてどんなことが事実だったか知るという上で読んでみました。

とても細かく取材をされている内容で、その事実から考えさせられる
ことがあったので、ここでシェアさせていただきます。

ツイッターでも感想をアウトプットしましたが、ブログにも文章として
残るようにしたいと思います。

子育て中の親御さん、自分の子供がいなくても社会に住むすべての大人の方と、
一緒にこの事件を通し、親として、大人としてできることを再考できれば嬉しいです。

書籍『43回の殺意 川崎中1男子生徒殺害事件の深層』

概要:

これが私が今朝読んだ本のタイトルです。

著者の石井さんは、国内外で貧困、事件等をテーマにした執筆をされている
ノンフィクション作家。

この本は、当事件の細かい取材に基づいた記録です。
以下、Amazonの書籍概要:

内容(「BOOK」データベースより)
二〇一五年二月二十日、神奈川県川崎市の多摩川河川敷で十三歳の少年の全裸遺体が発見された。
事件から一週間、逮捕されたのは十七歳と十八歳の未成年三人。彼らがたった1時間のうちに、
カッターの刃が折れてもなお少年を切り付け負わせた傷は、全身43カ所に及ぶ。
そこにあったあまりに理不尽な殺意、そして逡巡。
立ち止まることもできずに少年たちはなぜ地獄へと向かったのだろうか。
インターネットを中心に巻き起こった「犯人捜し」の狂騒。
河川敷を訪れた1万人近くの献花の人々の「善意」。
同じグループで「居場所」を共有していた友人たちの証言。
遺族の「涸れることのない涙」―浮かび上がる慟哭の瞬間。

私の感想:

キーワードは「家族」:

まず、私がツイッターで投稿した内容です。



それぞれの見解があると思いますが、私の理解(誤読)では、
被害者、加害者ともに共通していたと感じました。

  • 親子のコミュニケーションが圧倒的に欠けていた(親が仕事の為すれ違い)
  • 親が放任(小学生時代に夜中出かけたり帰宅しなくても、探しにも来ない、等。)
  • 経済的に余裕のない家庭(それにより両親が頻繁に喧嘩)
  • 家庭に居場所がなく、外に居場所を求める

つまり、家族の中で自分が精神的安定を感じられない子供たちが、外でそれを求め
ゲーセンや路上でたむろする、という構図です。

被害者の少年も、両親の離婚後、母親の実家で兄弟5人育てられたそうですが、
母親は仕事で不在、途中からは母親の恋人との暮らしになったそうです。

子供たちの面倒は被害者のお兄さんが担っていたようで、食事も十分に与えられず
友達の家に夕飯をごちそうになることも多かったといいます。

逮捕された加害者3人に関しても、主犯格を除いてはシングルマザーに育てられ、
母親は子供を一人置いて新しい恋人と海外移住をしたりと、
放任で育てられています。

家族が安らぎの場になっていない、つまり、自己肯定感が低く、承認欲求がその分強い
精神的安定が確保されていないという点が、被害者、加害者に共通していえることです。

加害者は元いじめられっ子:

今回の主犯格の子は、両親もいるごく一般的な家庭の子。

犯行に関わらず、日常的に年下へ非常に暴力的な一面を持っています。

なぜそんな子になったのか?

それは、彼自身が小中でずっといじめられていたことが挙げられています。

学校で居場所がなかったのだそう。

クラスでも目立たない子で、ずっといじめられっぱなしだった為、
自分と同等もしくは強い相手への恐怖心があり、

そのトラウマから、自分より年下を引き連れて暴力的になることで、
周りを従わせることで居場所を確保していたようです。

アニメやゲームにはまり、周りとのコミュニケーションも下手だった
そう。

そういう似たような少年少女がゲームセンターで暇をつぶし、
信頼関係もないのに、居場所がないから一緒につるむ。

コンプレックスの塊。
まさに彼はそういう人だったということがうかがえます。

それが満たされない時に酒、タバコへ逃げ、仲間を殴り倒し
それを発散させる。

そういうコンプレックスの塊が、なぜ被害者をターゲットへ選んだのか。

それは

嫉妬

だと私は思います。

被害者の上村くんは、両親の離婚前は島根県の島に住んでおり、スポーツ万能で
クラスでも人気者。

離婚後に川崎市へ引っ越してきましたが、人懐っこいキャラクターですぐに
クラスに馴染んでいきます。

しかし、一方で家庭での居場所がなく外の世界で出ていくと、地元ヤクザ一家の
子供等もいるわけです。

そこの兄弟に目をつけられている加害者Aと対照的に、人に可愛がられやすい
人懐っこい被害者少年は、目をかけてもらいます。

自己肯定感の低い加害者Aは、それを「生意気だ」と、面白く思いません。

そして、その満たされない気持ちが積もりに積もり、

酒を飲んで自己コントロールができなくなった加害者Aは、夜に彼を川へ連れ出し
殺害しました。

タイトルにもある「43回」は、彼らが被害者をカッターで刺した傷の数で、
息をしなくなるまで、何度も刺し、泳がせたそうです。

そのメンタルを考えると、同じ人間として全く理解もしたくないし、理解もできません。

元いじめられっ子が、自分の満たされない気持ちを弱い年下の友人へ向けたのです。

どうしてこんな人間が育ってしまったのか・・・。

野放しにしてしまっていた周りの大人の責任は重いです。

自分が大人としてできること:

この出来事から、あなたは何を考えましたか?

以前、登戸の通り魔事件の考察でも書きましたが、こういった問題は社会全体の問題だと思います。
www.reachout-3s.com

成長過程で大人の誰からも関心を向けてもらえず、認めてもらえなかった子供がそのまま
社会と断絶した世界で生きていく。

周りの誰でもいいから、もっと早い段階で大人の誰かが関心を向けてやれていれば、

この少年たちも別な居場所が見つかり、もっと変わった人生を歩んでいたのかな、

と感じます。

まずは、自分の家庭内で精神的安定を与えてやること。

「あなたはここにいていい存在」
「あなたは大切」

と伝え続け、居場所を作ってあげること。

これが絶対条件だとおもいます。

これは、シングルだろうと関係ありません。

子育てをしている人たちの最低限できることだと思います。

そして、他人の子供も自分の子供のように関心を向け、愛情を注いでやること。

他人の子だからと遠慮せずに、褒めるときは褒め、叱るときも本気で叱ること。

自分の子供にするかのように、抱きしめてやること。

こうして、社会から受け入れてもらえているという実感を持たせ心を育てて
やることが、

こうした事件を減らしていくために我々大人なら今からでもできることだと
思います。

私も、近所の放置子を招いて夕飯をご馳走したり、家の周りをうろうろしてると
一緒に遊んだり、身近な所からできる小さいことからやっています。

こうした犠牲者や加害者を出さないために、家庭という最小単位の社会での
安心の確保、地域での見守りというのは世の大人の役目です。

まずは自分の範囲から。

あなたができることは何ですか?